後ろに立っていた5組の長体星斗(チョウダイ ホシト)が大きな声を上げる。


それに合わせるようにして、俺たちは声を張り上げはじめた。


「おーい! 大丈夫ですかー!?」


「大丈夫だったら、返事をしてください!!」


「誰もいないんですかー!?」


口々に叫んでいると、船から物音が聞こえて来て俺たちは顔を見合わせた。


誰かが出てくる足音もする。


とにかく、ここにいるのが自分たちだけでない事にホッと胸をなで下ろした。


できれば出て来るのは大人がいい。


無事に家に帰れるように手配できる人がいい。


そう願いっていると、船の先端に人影が見えた。


「あっ――」


声をかけようとしたが、言葉が出て来なかった。


その人物の体は真っ赤な色をしていてヒョウ柄のパンツをはいている。


モジャモジャの髪の毛の間からはニュッと2本の角が出ていて、その右手には金棒のようなものが握られていたのだ。


そう、その姿はまるで、鬼、そのものだったのだ。