地獄船

鬼は人間をおもちゃにして順番に殺して行きたいのだ。


ここで自殺なんてされちゃあ、遊びが台無しになってしまう。


「でもまぁ、当たりは当たりだし」


鬼は軽い口調でそう言うと、子鬼たちへ向けて何かの指示を出した。


数人の子鬼たちが動きだす。


「ま、待ってくれ! なんでもする! なんでも言う事を聞くから、綾を助けてくれ!」


俺の叫び声は広間に空しくコダマする。


鬼も子鬼も俺の言う事なんて聞いていなかった。


赤い包装紙に包まれている箱を持った子鬼が綾の前に立つ。


青い包装紙に包まれている箱を持った子鬼が小恋の前に立つ。


それは一見プレゼントの箱のように見えた。


自分の心臓がドクドクと早くなるのを感じる。


握りしめていた綾の手がするりと離れた。


「ごめんね早人」


死を悟った綾が小さな声でそう言った。


「なんでだよ、綾……」