「やめなよ!」



朋香の手が私の首から離れる。

全身で酸素を求めている私の体を支えてくれたのは、美琴だった。


美琴が、朋香を突き飛ばしていた。

睨み合う2人。



「今日の体育はプールだよね」



誰かが呟いた。

 
「行くしか……、ないよね」



睨み合う美琴と朋香の横を通り過ぎるクラスメイトたち。

私は酸欠状態で倒れこんでいる。


だから、クラスメイトが教室を出てプールへと向かったことに気づかなかった。