「ふざけんな」



耳元で聞こえたのは、朋香の声だった。

朋香の声には怒りがこもっていた。



「殺人鬼」



首にかかる力が強くなる。


朋香は過去にいじめられていた。

美琴の最初のターゲットは朋香だった。

だけど、いつの間にかターゲットは安住になっていた。



「今まで、目立たないように過ごしていたけど限界」



朋香が耳元で呟く。


非通知メールが届いてから、朋香は一言もしゃべらないようにしていたのに。

自分が犠牲者にならないようにと、ひっそり隠れていたのに。

だけど、殺人鬼を見つけられてよかったよ、と。



朋香の手に力が入る。

意識が遠くなっていく。


このままじゃ、私が……。