「先生は大丈夫なの!?」



クラスメイトが私に声をかける。



「死んでる……」

「なんで、」

「そんなの私にも分からないよ!」



気がつけばクラスメイトに怒鳴っていた。

静まり返る教室に響いたのは、メールの通知音。

 
『謝って済むなら制裁は要らないよね』



謝る……。

制裁……。



「昨日、山崎さんたちが余計なことをしたから」



誰かが私の名前をあげる。



「山崎さんが謝りに行こうなんて余計なことを言ったから、吉野先生は犠牲になったんだよ!」



私を睨むクラスメイトたち。



「吉野先生に、安住の住所を聞きに行ったんでしょ!?」



ごくっ、とつばを飲む。



「そんなことするから! また犠牲者が増えた!」



私が……。

余計なことをした?



「私はただ! 謝りに行っただけで!」

「言い訳とかいらねぇよ!」



クラスメイトが声を荒らげる。

罪の擦り付け合い。

だけど、誰もが『自分は悪くない』と思っている。


そんな攻撃的な言葉が飛び交う教室に、すすり泣く声が聞こえた。

涙を流しているのは委員長だった。