【完】スキャンダル・ヒロイン〜sweet〜

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「てゆーか姫岡さんにちゃんと説明しなくっていいの?」

2月はその名の通り逃げるように去って行く。

彼氏の居る初めてのバレンタインは、大きなチョコレートケーキを作った。寮の皆へお裾分けの名目で作ったのだが、その全てを真央が食べてしまった。

その日最後に帰って来た坂上さんはケーキがあたらなくって、酷く悲しんでいたのが笑える話である。

そして2月の終わり、りっちゃんと雄太との待ち合わせのカフェでお茶を飲んでいた。

「だって……本当の事を言ったら絶対に良い気がしないと思うし」

「だからって…姫岡さんって超嫉妬深いじゃん。バレたら絶対怒ると思うよ?」

「怒るどころか寮を破壊しかねないね。学歴には相当コンプレックスがおありのようだし」

「じゃあ~…なおさらちゃんと説明するべきじゃん~…今回だって何か姫岡さんに悪いよ…」

りっちゃんはミルクティーをすすりながら、申し訳なさそうな顔をした。
こんなに心配をしてくれる友達が居てくれて、心強い。

「だってさぁ、雄太絶対に静綺の事狙ってる!
同窓会の日だってやばかったんだよ?!あたしが居なかったら、静綺もしかしたら雄太にお持ち帰りされてたかも…?」

「え?マジ?やっぱり雄太ってちゃらかったんだ…女の扱いに慣れてるとは思ったけど」

「ちゃらいかどうかは分からないけれど、静綺に気があるのは明らかじゃん。そうじゃなかったらわざわざ大学まで来たりしないよ!
静綺、もうちょっとしっかりしないと!あんまり流されてばかりじゃ良くないと思うよ…。
まぁ、今日は私の為にわざわざ来てくれたんだろうけど」