少し茶色がかった肩下までの癖のない髪の毛
なんとなく異国の雰囲気を持つ、淡い色の瞳が印象的な小柄な女子
正直最初はかったるかった
慣れない奴との同居生活とか、それだけで充分めんどくさいのに
ご飯作るとか言い出すし、しつこいし、何かと騒がしいし
俺とは確実に合わない人間
親の頼みとは言え同居生活を承認したのは間違いだったのかもしれない、とまで思った
でも…
『おかえりなさい』
『いってらっしゃい』
『おはよう!』
今まではひたすら静かで真っ白だったこの家に
突然訪れたカラフルな騒がしさ
心地いいのか悪いのか
よく分からなくなる
『真琴くん!』
…
合わない、なんて言っておきながら
案外簡単に心を開いてしまいそうで
ちょっと身構えている俺もいる…気がする
「はぁ」
軽いため息をつき、これ以上変な思考が回り出す前にベットから体を起こした
今日は土曜日
同居が始まってから初の休日…だけどあいつは1日バイトに行ってるから
結局いつもとあまり変わらない休日
くあっと出た大きなあくびと一緒に部屋の扉を開ける