「何を心配してるのかは知らないけど、ずっと上の空だと派手に転ぶわよ」
「結花」
いつの間にか登場した結花が黒髪を揺らして言った
「転ばないよ」
「…まあなんにせよ無理は良くないわよ」
珍しく結花が優しい声色でそう言った
私の目を真っ直ぐに見る結花の綺麗な目
…はぁ私は何をやっているんだ
友達に心配されてしまった
学校は学校だ
しおしおしてたら私らしくない!
「ごめんごめん!大丈夫!」
いつものように笑って見せる
二人が少しほっとしたように表情を緩めた
「それならいいんだけど…何かあったらちゃんと言え」
「たまには頼りなさい」
うう泣
Mother
私は、いい友達を持ったようです
こういう時は、素直に頼ってみるのも…いいかもしれない
慣れない“お願い”をするためにおずおずと口を開く
「あのね…今日は早く帰らなきゃいけないんだけど生憎掃除当番に当たってしまいまして…
今度変わるから今日だけ掃除当番代わってくれませんかっ!」
パチン!と手を顔の前で合わせてぎゅっと目を瞑る
少しの間を置いて…
「「やる!!」」
おわっ
二人が同時に体を前に乗り出して言った
「俺が代わるから北条はいいよ」
「あなたこそいいから。部活とかあるんじゃないの?」
え、どうした
なんでそんなにやる気なんだ二人とも
掃除当番そんなに好きなの?
私が混乱していたら蒼馬が口を開いた
「…お前が俺らに何か頼むのって初めてだからな」
え、そうだっけ?
でも色々と相談乗ってもらったりしてるよ
いつも助けられてるし
「珍しい梓からの『お願い』だからね」
2人がにっと微笑む
…普段からお世話になってばっかりだと思うけど
やっぱ、この2人好きだなぁ
「ありがとう!結花!蒼馬!」


