伸ばした腕を掴まれて
思わず目をかっ開く
お、おお起きてる!?
変な汗をどっとかく
…しかし
「……」
え?
私の手を掴んでいる織原真琴の目は開いていない
え、寝てんの?この人寝てる?
「…おり、はら…くん?」
……寝ぼけてるのかな
それにしてはかなりの力で私の腕を掴んでいる
え、これ離していただけるのか?
ちょっと力を入れて引いてみる
「…っ」
え、抜けない
ちょっと本当に抜けない
やばいこれ
私時間ギリギリなのだが
ちょっと!同居人!
ぐっと引き抜こうとしても、無論びくともしない
…むぅ
どうしたものか
「…ないで」
…え?
消えそうな声が耳を掠った気がした
何…?
「…行かないで」
小さな声
だけどはっきりとそう言った
もちろん声の主は私の腕を掴むこの同居人
『行かないで』
…何が“慣れてる”だ
ちっとも平気じゃないくせに
「ちゃんと帰ってくるよ。急いで走って帰ってくる」
私の腕を掴む力が少し緩んだ
「だから待ってて。一人じゃないから」
するり
手が抜けた
…なんて弱いんだろう
彼も、私も


