「相手のレベルが高かっただけよ。私は…あなたにはあなたなりの魅力があることをちゃんと知ってるわよ」



珍しいこいつからの言葉に
思わずうなだれていた顔を上げた

「…何よ」

「え、いや…なんでもない」


こいつって

性格に難ありだけどめちゃめちゃ綺麗だよな

「お前はそういう相手いないの?」

「私につり合う男がそう簡単に居るとでも?」

うわー

色んな意味でお前についていける奴いないと思う


はぁ
上げていた顔を再び机につける

あの同居人といる時の梓はきっと幸せなんだろうな

だったら

あいつを本当に好きな男として、梓の幸せを真っ当に応援できる…ように


「はぁぁ」


いやいやそんな簡単な話じゃねぇよなぁ

俺そんな人よくないし