「それにしても展開が急ね」
一限目の教室に移動中
隣を歩く結花がボソリと言った
「急?」
「同居の話よ。梓はかなり取り乱してたけど、お相手は冷静だったんでしょ?」
あー…確かに
でもそれは織原真琴の性格の問題では?
「普通同級生と同居なんてなったら、常人だったら止めるはずでしょ。飲み込みが早いにも程があるんじゃない?」
「常人じゃないんじゃない?」
「…そう、かしら」
なんだろう
結花は何か引っかかってるみたいだけど
私が知らないだけで織原家でも討論があったかもしれないし
あの織原母を見ると…息子も息子でかなり寛大な心で受け入れたのでは無いかね
何にせよ、私は転がり込んだ身でありますからして何とか耐えるしかない
「ねぇ梓」
「なに?」
「織原真琴と会ったのはこの学校が初めて?」
へ?
「高校に入る前にどこかで会ったりしてない?」
えーそれは無いと思うけどなぁ
「会ってたら絶対忘れないよ、あの顔」
記憶にこべりつくと思う
「でもお母さん同士が仲良かったんでしょ?それなのに全く知らなかったの?」
「全く知らなかった」
お母さんにそんな友達がいることすら知らなかったよ


