「あ、言っとくけど同情とかいらないからね。可哀想だなんて言われたところで過去が変わるわけじゃないし。無駄な時間を過ごしただけで特に害はないから」
…無駄
…。
「ねぇ、ルイくん」
「ん?」
「お腹空かない?」
「え?」
彼の家の境遇なんて知らないし、私にはどうすることもできない
同情なんてできるような話でもないし
慰めを求められてるわけでもない
ただ…
この出会って2日目の無邪気な同級生に、自分ができることはなんだろうと真面目に考えてみた
パッと思いつくようなものはなかったから
とりあえず…
お腹をいっぱいにしてあげようと思った
久しぶりの我が家のキッチン
和風な匂いが部屋を包む
「何作ってるの?」
「肉じゃがだよ」
「肉じゃが?」
「私の一番得意料理なの」
「へぇ…いい匂いだね」
ーー
「出来たよ」
「わあ!すごい!」
お母さんと囲んでいた食卓を何故かルイくんと囲む
「いただきまーす!」
無邪気な笑顔で肉じゃがを頬張る
…14歳でフランスか
立派な人だな


