「面倒ごとには巻き込まれないし、変に妬まれるような対象にもならない。寄ってくる人間にはとりあえず笑っておけば好印象がつく。
王子だかなんだか知らないけど俺は自分のためにこのキャラをやってるだけだよ」
…ほぉ
「でもそ自分を偽り続けるってなんか息苦しそう」
「まー決して生きやすい訳ではないけど。でも息苦しい生活しか知らないから特に問題はないよ」
息苦しい生活…か
「あ、でも」
ん?
「最近は…あんまり息苦しくないかも」
「え、そうなの?」
「…梓が、家に来てからは特に」
!
思わず顔をバッと上げた
バチっと目があった時
どくん
と心臓が跳ねる
なんの表情なんだそれは
なんでそんなに…優しく笑うんだろう
少しだけ上がった彼の口角
その口が動いて私の名前を呼ぶたびに血が早く流れる
「…からかわないでよ」
慌てて目を逸らしてご飯を口に入れる
「からかってないのになー」
そう呟いた彼の顔を見るのは…やめておこう


