マンションに着いても、エレベーターの中でも
家の中に入っても
私の泣き声はおさまらない
そのせいか真琴くんが途中からすごい早歩きになった
申し訳ないと思いながらも
何年も流さず溜めていた涙はなかなか止まってはくれなかった
家に入ってバタンと扉を閉めた
その瞬間
ぎゅう
!?
ずっと繋いでいた手を強く引かれ真琴くんの胸の中にすっぽり入った
「はぁ…やっとできた」
え?
ドッドッと心臓が鳴る
「帰り道の途中からこうしたくて仕方なかった。さすがに外だったからここまで我慢した」
え、じゃあ早歩きになったのはそのせい?
「…梓」
真琴くんの腕の力が強くなる
「…あんなふうに絡まれたのって初めてじゃない?」
え?
「今日一日元気なかったのってそのせい?」
え、え、どういうこと?
「移動教室とかでたまに梓見かけたけど、なんかいつもより元気がなかった気がした」
…嘘だ
私、結花にも蒼馬にも気付かれないように
いつも通りにしてたのに
「…なんで…わかったの」
「…梓のことを良く知ってるから」
なんで、気づいちゃうかな
なんで、よりによって真琴くんなの


