「あのー真琴くん、ちょっとどいてもらっても良い?」
「楽しかった?」
え、なに
「楽しかった?」
えと
「ま、まぁ…それなりに」
「…あそ」
ええー語彙力っ!
いや、語彙力じゃない
何だこれは、この人には何が足りてないんだ?
「真琴くん?どうしたの」
「告られた?」
ぶっっ
「っっーー、ゲホッゴホッ、なんっで知って」
すっごい漫画みたいに図星つかれてむせ返る
え、え、なんで?
帰ってきてからここに来るまで、私のどこにそんな要素あった?
何でわかったの!?
私何も失言してないし、なんなら表情だって全然伝わるような顔してないよ!?
どういうこと?
見てたの!?
それともエスパーかなんか!?
むせながら思考を巡らせる
「え、マジなの?」
え?
「いや…俺今、からかったつもりなんだけど」
あ、そうなの?
そんなピンポイントで?
「…」
う、わあ…
ということは…自爆か…
「ふーん告られたんだ」
じっとりと私を見る同居人
なんでよりによってそのからかいかたしたのよ…