「蒼馬!蒼馬ってば」
「なんだよ」
「なんであんなことしたの」
「あんな事?」
真琴くんに食ってかかるなんて
なかなかの自殺行為よ
「ああいうタイプは敵に回しちゃダメだよ」
「そんな事知らねぇよ」
えー
知らないからね
真琴ズファンに喧嘩売られても
「俺、あいつ嫌いだわ」
嫌いって…
「なんだよマジで、何が別にいいよだよムカつく」
イライラしたようにずかずかと歩く蒼馬
少し駆け足でついていきながら純粋な不安を口にする
「これ私家に帰ったらどうなるだろ…」
とたん、蒼馬の足がピタッと止まった
思わずその背中にぶつかる
「ちょ、急に止まんないでよ」
「…北条だ」
北条?あ、結花?
「北条に泊めてもらえ」
えー
「そんな無理だよ、結花の家厳しいし」
「じゃ、他には?仲良いやついないのか?」
いやいない事ないけど
そんな急に泊めてなんて言える子いないよ
「良いよ別に。普通に帰るから」
「…」