…変なの。
帰ろ
さっきまでの高揚感を忘れ、とぼとぼと下駄箱に向かう
真琴くんたちとすれ違うけれど特に意識する必要はない
だって
赤の他人なんだから
きゃははと笑い声が聞こえるその連中の横を通り過ぎる
真琴くんは視界に入れないようにして
「梓!」
!
と、急に呼ばれた自分の名前にビクッと肩を揺らして振り向く
「梓、待てってば」
「蒼馬?」
肩で息をしながら蒼馬が走ってきた
「ずっと呼んでたのに」
「あ、ごめん。気がつかなかった」
「一緒に帰ろう」
ほよ?
「でも方向違うでしょ」
「ちょっと付き合ってくんない?寄りたいところがある」
えーめんどくさーい
「まーそんな顔せずに。お願い」
うぐ
お節介梓ちゃん
お願いに弱い
「むぅ、わかった」
「よっしゃ。行こ」
蒼馬が心底嬉しそうに笑う
そんな無邪気な顔を見ているとさっきまでの謎のモヤモヤが薄まる
…はずだったんだけど


