「だって恋愛ってめんどくさそうじゃん」
え"
「自分より相手を大切にしなきゃいけないし、デートとかばっちゃめんどいし、周りに茶化されるのもうざいし…良いことなさそうじゃん」
え、えぇ…
そこでも無気力発揮するの?
「誰かを大切にするっていう感情がよく分からない」
…
誰かを大切にする感情…ですか…
ちょっと聞き慣れないその言葉の響きが耳に止まる
「…その感情なら、ちょっとわかる気がする」
「え?」
そうは言っても
私には彼氏なんていたことないし
今までに経験した恋だって
多分あのバスで会った男の子への
恋って言えるのかすら曖昧な、あの気持ちくらいしか参考にできない
恋
私にとっては未知な感情
誰かを愛しく思う気持ちも、胸がキュンキュンする経験も
世間知らずの私には無縁のことだと思っていた
ドラマや漫画の世界の話だと思っていた
…でも不思議なことに
今はあんまり遠い感情だと思っていない
なぜなんだろう
自分へ問いかけてみたところで、解決するわけもなく
ただ、真琴くんの言った
『誰かを大切にする感情』
っていうのに『恋』って言葉が重なっていく


