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「よし」
ガチャンと大きなトランクの蓋を閉めて立ち上がるお母さん
「頑張ってねお母さん」
「うん梓もね。ご飯しっかり食べるのよ」
次がいつになるかわからない二人での晩ご飯を終え、お母さんを送り出す
やっぱちょっと心細いけど頑張らなきゃ
「一ノ瀬さんは7時くらいにここに迎えに来るからね」
私がお世話になる人の名前は一ノ瀬さんというらしい
「仲良くできるかなー」
「大丈夫よ。それに息子さんが確か梓と同じ学校だったし」
へぇ…同じ学校…
ん?
「え、ちょっとまって。息子って言った?」
「あれ、言ってなかったっけ」
…
…
「はぁ!?ちょっなんでそんな大事なこと出発間近に言うの!?」
「ごめんごめん。でも同級生だから大丈夫でしょ」
いや何が大丈夫なの!?
「梓なら何とかなるわよ。学校に一ノ瀬くんって子いない?」
一ノ瀬ぇ?
聞いたことないけど
同級生って…同じ学校って…
「まあ、グットラックよ」
あっはははは
やっぱマイマザークレイジー
「じゃあそろそろ行くわ」
そんなバナナ
「しっかりやるのよ梓。連絡してね。梓のこと大好きだからね」
〜〜っ
…はぁ
ま、今更焦ったところで仕方ないか
しっかりやろう
「お母さんも体に気をつけてね」
「梓もね」


