「…ブレーカー見てくるか」

「ブレーカー?」

「廊下にあるんだよ、落ちてるかもしれない」

「なるほど」

「一緒に来る?」

一人にしないで頂きたい

「行く」


真琴君が立ち上がった気配を察知

私も立ち上がろうとするけど足元がおぼつかなくて少しふらつく

ぐっ

ふらついた私の腕を真琴君が掴んでくれた


「ちょっとごめん」

え?

真琴君が腕を掴む手を離す

そのまま腕をたどって私の手を握る


思わず心臓が波打った


「行くぞ」

「う、うん」

真琴君のひとまわり大きな手

力強くてゴツゴツしてるけど少し冷たい手

「ありがとう」

「…ん」


家の中を手を繋いで移動するなんて変な話

でも

だいぶ怖くなくなった