泣いて、凪いで、泣かないで。

「ゆっと、どうしたの?」

「えっ?あ、いや、なんでもない」

「ふ~ん」

「なんだよ、その顔。つねってやろうか?」

「えぇ、やだよぉ。うわっ!」


隣を歩く汐衣愛の頬にすかさず手を伸ばし、かるくつねってやった。

抵抗してる姿も天使は天使のまんまだ。

と、その時だった。