ゆっとが腰を上げて、私の口元に手を伸ばす。

そして、さらっと胸キュンなことをしてくれちゃった。


「口の周りにべたべたつけて食べるやつのどこが大人なんだよ」


ゆっとの香りがコーヒーの香ばしい香りよりも強く感じた。

その香りにさらに胸が激しく音を立てて、冷房が利いた部屋にも関わらず汗をかき、頬をイチゴ以上に真っ赤にしていたと思う。

異常事態宣言発令中の私に、ゆっとはさらに畳み掛けてきた。


「大人になったら、また来ような」

「あ...。あっ、うん!」


私は昇天してしまった。