「これ、すっごく美味しいよ!ゆっとも食べてみて!」


その言葉にゆっとは首を真横に振った。


「美凪が食べきってからにする」

「なんで?」


ゆっとがふっと笑った。


「美凪の食べ方、面白いから」

「えっ?あの、それはどういう?」

「面白くて吹き出すのを恐れてってこと」


私はコーヒーをごくごくと一気飲みしてから、ゆっとを睨んだ。


「私、大人だから。コーヒーも飲めるし、上品に食べられるから!」


そう言ってフォークで丁寧に切り分け、セルフで優雅なオーラを醸し出しながら食べたんだ。


「ははっ!やっぱ面白いわ!」

「笑わないで!」

「はははっ!何が大人だよ。どー見ても子供だろ」