まだ慣れていないせいか、つい言ってしまった。 私はドアの鍵を閉め、家を出た。 高校の校門まで来ると、桜が満開で少し心地の良い風が吹いていた。 「えぇ、では橘 紅莉。」 『はい。』 入学式の最中、私は席を立ち上がり返事をして前へ出た。 首席だ…。 "何がなんでもトップでないといけない" それが父、兼・橘組 総長の教えだった。