「…桜河。」 小さめのエナメルバッグを肩にかけた、制服姿の桜河がこちらを見据える。 「…なんか、目赤くね?」 私の顔をじっと見つめる桜河に、私は思わず自分の顔を腕で隠す。 「…泣いた?」 「別に、泣いてないよ。」 「嘘つけ。 …誰かに何かされたか? 柊吾?それともあの女?」 顔を隠す私の腕を解きながら、眉間に皺を寄せてそう言う桜河。 まったく……相変わらず心配性なんだから。 「本当に何ともないんだよ。」 桜河の眉間に指を当てて笑うと、彼は腑に落ちない顔で黙り込んだ。