「……サクラ…」

 俺が知っている、“サクラ”という名前のヤツ。

 まさか、と思いつつ、机の上のいつもの場所を見る。

「───いない…?」

 ってことは、ほんとに…。

「あの、サクラなのか?」

「うん、そう。“らこちゃん”が大切にしてた、あの」

「いつも、俺の机の上にいる?」

「そう。いつも一緒の、サクラ」