切ないほど、愛おしい

「おはよう」

「ああ、おはよう」
なんだか面倒くさそうに、挨拶をする徹さん。

声の主が女性なのはわかったけれど、私は振り向いて良いものか悩んだまま固まっていた。

「珍しいわね、徹がこんな時間に」

女性の方も私を気にしているのはわかる。
さあ、どうしたものかしら。

下手に名乗るのもどうかと悩んでいると、

「初めまして、青井麗子です」
女性の方が私の前に回ってきた。

「あ、初めまして。長谷川乃恵と言います」
一応立ち上がり、ペコンとお辞儀をした。

「長谷川・・・さん?」
「はい」

ジーッと私を見つめる女性。

それにしても、綺麗な人。
モデルさんかなぁ。
一般人にしては美しすぎる。

「オイ、大丈夫か?」
徹さんが目の前で手を振っている。

「ああ、うん」.
生まれて初めて女性に見とれてしまった。

「ねえ、もしかして、陣の?」
女性が徹さんに聞いている。

え?
なんでここでお兄ちゃんの名前が出るの?