切ないほど、愛おしい

初めて乗った孝太郎さんの高級感漂う車。
徹のとはタイプが違うけれど、どちらも高そうな車だ。

「顔色悪いけれど、一体どれくらい飲んだんだよ」
ミラー越しに麗子さんを見る孝太郎さん。

「そんなに飲んでないわよ」
小声で答えて窓の外に視線を向ける麗子さん。

この状況の私はとても場違いで、なんだかすごく気まずい。
できれば一刻も早くここから出たいんだけれど・・・

「そう言えば乃恵ちゃん、携帯見た?」
「え、携帯?」

携帯は鞄の底にしまったまま。
病院ではマナーモードにしているし、今は徹も海外で時差がありあまりかけられないから。
って、待って、もしかして、

「孝太郎さん、まさか、徹に・・・」

「もちろん連絡したよ。君にも麗子にも連絡が取れないんだから、当たり前だろ?」
「そんなあぁ」

恐る恐る鞄から取り出し確認してみる。

うわぁー。
そこにはすごい数の着信。

これって、かなりマズイよね。