切ないほど、愛おしい

「じゃあ、カンパーイ」

私の予想通り、麗子さんはOKの返事をくれた。
そしてやって来たのが、病院近くの居酒屋。

「こんなところじゃなくて、もっとおしゃれな店にしろよ」
和人君の店選びに、先輩ドクターが渋い顔をしている。

「いいじゃないですか、居酒屋の方が気兼ねなく飲めますから」

麗子さんがジョッキを空けながら言うと、美咲さんもウンウンと頷いている。

よかった、いい雰囲気。
麗子さんって綺麗だから連れて行けば男子は必ず喜ぶんだけれど、女子の反応の方が怖いんだよね。
でも、麗子さんと美咲さんとはとっても楽しそうに話しをしている。

「ところで、麗子さんは独身ですか?」
さすが、先輩ドクターの猛アピール。

「ええ結婚はしていませんが、結婚を約束した人がいます」

「へえー」
ちょっとだけ声のトーンが落ちたのがおかしくて、クスッと笑いそうになった。

いくらドクターでも、麗子さんは無理。
だって、孝太郎さんが手放すわけがないんだから。