私たちには愛がない

《美颯side》

席についてから
最近買った本を鞄から取り出し読み始める


なんだかんだいって
結局純文学に戻ってくるんだよね

と、感傷に浸っていたその時

「キャーーーー」

突然、女子の悲鳴が教室に響き渡る

うるさい…
なんなの?この騒ぎ

そう思い振り返ると

そこには

「狼」

そんなワードが連想させられるような
1人の男子がいた