世界が終わるとき、そこに愛はありますか

涼はため息混じりにそう言った。


車内には重い空気が充満し、タバコの臭いがヤケに鼻を刺激する。


深景さんは何も言わなかった。


眉間にシワを寄せ、タバコを吸ったり吐いたり。


雨音でも掻き消えない沈黙が重い。


車が赤信号で停まり、静けさが増す。 


そして青信号に変わり車が動き出すと、また少しだけ静けさが緩和される。


何度それを繰り返しただろう。


重い重い沈黙ののち、深景さんは静かに口を開いた。


「本当に何でもするんだな?」


横目で睨むようにあたしを見、煙を吐く。


圧が強くて気圧されそうになるが、グッと堪えて大きく頷く。


「…なら今から俺が言うことに従え」


従えば復讐を手伝ってもらえるんだ。


だとしたら、なんだってやってみせる。