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その日は一睡もできないまま、日が昇るのを出迎えてしまった。
深景さんはまだ帰って来ていない。
深景さんならきっとなんとかしてくれる。
だから大丈夫。
そう言い聞かせていても、震えが止まらない。
お姉ちゃんを失ったトラウマが心臓を鷲掴みにして揺さぶってくる。
一人でいるのがつらい。
一人で待ってるのが怖い。
そんな思いで手に取ったスマホ。
無意識のうちに通話ボタンを押していた。
『もしもーし。あんた朝早いねぇ』
『どうしたの?急に』
愛結と奈津。
まだ8時なのに、二人とも電話に出てくれた。
たったそれだけのことでも泣きそうになってしまう。
「ちょっといろいろあって…一人でいるのが寂しくって…」



