世界が終わるとき、そこに愛はありますか

「なに?俺じゃなくて上見てみろよ。綺麗だから」


…ダメだね、あたし。


些細なことで一喜一憂して、心を掻き乱されて…。


「雪花?」


隣に立つ深景さんの視線が下りてくる。


その視線とすれ違うように空を見上げると、綺麗な星空が広がっていた。


都会じゃ見れない光景。


「……綺麗だね」


こんなロマンチックな場所に、何で連れてくるの…?


ただのセフレなら、セフレとして扱ってよ…。


変に期待させるようなことしないで…っ。


焦点を失った視界では、星は見えない。


ただぼんやりとした光だけがチラチラと見えるだけ。


頬に伝う一筋の涙。


「…どうし……」


伸びてきた深景さんの手は、あたしに触れることはなかった。


やり場を失くした大きな手が宙を彷徨う。


「……ホテル戻ろっか。もうあたし満足だし。ありがとね、こんな素敵なところに連れてきてくれて」


無理して笑うしかなかった。


偽りの笑顔を浮かべて、やり過ごすしかなかったんだ。