世界が終わるとき、そこに愛はありますか


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「もう莉愛の話しはやめよっか」


10分近く嗚咽し続けたあたしの背中を摩りながら、唯さんが柔らかな声で言った。


「深景の話とかすればテンション上がる?」


あたしの正面のソファに移動し、何とも言えない絶妙な表情でこちらを見る。


あたしを元気づけるためにしたくもない話をしてくれるんだろうか。


「かわいい雪花ちゃんのためなら、アイツとの思出話くらいできるよ?聞く?」


…素直に、気になる。


でも…いいのかな。


「気になるって顔だね。いいよ、何聞きたい?」


唯さんに近づけるチャンスかもしれない。


「…じゃあ…深景さんの好きなタイプとか…何されたら喜ぶのかとか…」