世界が終わるとき、そこに愛はありますか

所々掠れる声。


小刻みに震える指先。


「…唯さんは何も悪くない。本当に、唯さんのせいじゃないんです」


唯さんは唯さんで、ずっと苦しかったんだ。


あたしと同じような想いを抱えて過ごしてきた。


「…唯さん。お姉ちゃんは殺されたんです。男女二人組に。だから唯さんは何も関係ない。もう、苦しまないでください。お願いします」


あの憎き男のせいで心を痛める人が一人でも減ってほしい。


傷つくのは、苦しむのは、あたし一人で十分だ。


もう誰も傷つけたくない。


「…そう…だったんだ…。なんで知ってるの?莉愛が殺されたって。誰から聞いたの?」


「…そんなことはどうでもいいんです。思い出したくもないことなんで。それより、ストーカーってどういうことですか?」


そんな話、聞いたことがない。


お姉ちゃんがストーカー被害に遭ってたなんて、知らなかった。