世界が終わるとき、そこに愛はありますか

あたしも唯さんと同じなんだ。


あたしだって本当のお姉ちゃんを知らない。


「本当の藤堂茉莉愛はどこにいるんだろうね…。誰が覚えてて、誰の心に生きているんだろうね…。わかんないや。あたしも、唯さんと同じで、本当のお姉ちゃんなんて知らない…っ」


お姉ちゃんは…どんな気持ちで短い人生を終えたんだろう。


安らぎはあったのかな…。


心から頼れる人や、すべてをさらけ出せる人はいたのかな…。


心もズタズタの中でずっと働いてたんじゃない…?


それなのにあたし…何も知らなかった。


「…莉愛の心を思うと、今でも苦しくなる。 

華の嫌がらせは最後まで続いてたし、あの子、失踪する半年前くらいからストーカーに悩まされてたの。

だから心が限界だったんじゃないかな…。

気づいてあげたかった。

何がなんでも側にいてあげればよかった。

ふとしたときに凄まじい後悔が押しかかってくるの。

莉愛がいなくなる前日、莉愛の様子が変だなとは思ったの。

なのに、気のせいだろうって片づけちゃって、結局莉愛は戻ってこなかった…っ。

莉愛が失踪した理由は分からない。

もし私がきちんと莉愛の悩みを聞き出してたら、莉愛が姿を消すことはなかったかもしれない。

そう思うと、自分を殺したくなるくらい自分が憎い。

莉愛を救えなかった原因は私にあるんだよ」