世界が終わるとき、そこに愛はありますか

「雪花…好きだよ」


シャワーの音に混じって甘い囁きが聞こえてくる。


分かってる。


ムードづくりのための嘘だってことは。


あたしのことなんて何とも思ってなくて、ただ抱ければいいって思ってるだけなんだろうなってことは、分かってる。


深景さんが好きなのは唯さんであってあたしじゃない。


全部全部、分かってるんだ。


こんなことしてたって満たされない。


幸せになんてなれない。


そんなことくらい…っ。


深景さんに冷められた瞬間、彼にすがりついたあの瞬間、自らセフレであることを認めたも同然なことだって…っ。


全部わかってるんだ。


なのに、カラダだけの関係を改めることなんてできない。


怖いから。


深景さんがあたしから興味を失って別の女を抱くのが怖いから。


あたしなんて簡単に捨てられる立場だ。


だからこの関係を絶ち切る勇気が出ない。


情けない。


…情けないよ、ホントに……。