世界が終わるとき、そこに愛はありますか

「……あのね、雪花ちゃん」


涼はまた、オレンジジュースを一口飲む。


そして真っ直ぐな視線をあたしに投げ掛ける。


「…俺だって雪花ちゃんと同じだよ。急に大切な人を失った。仲間なんだよ」


ゆっくり、ゆっくり、そう話す涼の瞳は濡れていた。


「大切な人…」


やっぱり涼はただの常連客ではない。


特別な関係にあった人なんだ。


「付き合ってたの。俺たち」


…付き合ってた…。


男っ気なんてなかったお姉ちゃんに彼氏がいたんだ。


仕事ばかりして、自分の時間がほとんどないように見えてたけど、恋愛していたんだ。


「…よかった」


「え?」


…ホント、よかった。


お姉ちゃんにもちゃんと、安らぎの時間があったんだ。


「安心した。お姉ちゃん、あたしのことばっかり気にして自分の時間がなかったからさ。恋愛する余裕があったんだなって思うと安心した」