世界が終わるとき、そこに愛はありますか

「雪花ちゃんも、ちゃーんと交渉仕掛けてけるようになったんだ?」


目に鋭い光を宿した含み笑い。


背筋がゾワッとするけど、ここで怯む様子を見せるわけにはいかない。


「……車停めて。もう帰る」


強気に出ると、涼は降参降参と笑った。


目の鋭さは跡形もなく消えた。


……わからない。


涼のことが読めない。


「映画見たあと、飯食いながら話そっか。それでいい?」


……今知りたいのに。


映画見たあとじゃ、はぐらかされそうで不安だ。


「大丈夫。俺は逃げも隠れもしないよ?」


そんなあたしの心情を察したかのように涼は笑った。 


「…絶対だからね。約束だよ」


「もちろん。俺は約束は守る男だからね」