世界が終わるとき、そこに愛はありますか

「もし俺がそう言ったら困るでしょ?だったら、雪花ちゃんのこと、好きでいさせて?雪花ちゃんを傷つけることはしないから。絶対に」


あたしの返事を待たずに車は動き出す。


…掴めない。


あたしを引き付けるために敢えて意味深な発言をしているのか、それとも本当に何かを知っているのか。


やっぱり涼はミステリアスで掴み所がない人だ。


「…涼がお姉ちゃんについて知ってること話してくれるなら、今日のこのデート付き合ってあげる。教えてくれないならもう帰る」


涼の好意がどこまで本気なのか分からないこの段階でこんな発言をするのは、危険な賭けだった。


それでも、涼の独壇場のようなこの空気を打ち破るにはそれしか方法がなかった。