世界が終わるとき、そこに愛はありますか

チラッと目線をやった涼の横顔は何となく冷たかった。


お姉ちゃんの話は禁物だと言わんばかりの表情で、もう何も言えなかった。


「今からどこ行くの?」


「んー?映画見て、そのあと飯一緒に食いたいなって思ってる。ありきたりなデートだけど」


話題を変えれば、涼の顔はいつも通りに戻った。


…触れてほしくない理由でもあるんだろうか。


もしあるなら、それは何なのか。


気になるけど、涼には聞けない。


手がかりが掴めそうで掴めないこの感じが歯痒い。


「雪花ちゃん、キスしていい?」


赤信号で停まるや否や涼が突拍子もないこもを言う。


「…何言ってんの?ダメに決まってるでしょ」


「深景より上手い自信あるんだけど」