世界が終わるとき、そこに愛はありますか

駐車場に停まってる涼の車は、有名な外国産高級車だった。


「…若いのにこんな高級車に乗れるって、何の仕事してるの?やっぱりヤクザなの?」


助手席に座り、シートベルトをつけながら尋ねると、涼はにこにこ笑いながら車のエンジンをかける。


「ヤクザじゃないよ。ただいろんな情報を売り捌いてるだけ。いわゆる情報屋?こー見えてハッキングも得意だしね」


車がゆっくりと動き出した。


「まー、あとは言えない仕事もいくつかやってるけど」


やっぱりいくら優しくても裏社会の人間であることには変わりないんだ。


「…そっか。…情報屋か…」


情報屋…。


「情報屋だったら、お姉ちゃんのこと─」


「あっ、やべぇ、今の角を右だった」