世界が終わるとき、そこに愛はありますか

その瞬間、ドッと疲れが襲ってきた。


涼と一緒に歌った一曲しか歌ってないのに。


「ごめんね、雪花ちゃん。こういうノリ苦手だった?」


「…全然気にしないで。もっとあたしが頑張ればよかっただけなんだから」


ホント、自分が嫌になる。


あたしみたいに盛り上がりに欠ける女が1人いるだけで、皆に気を遣わせちゃって場の空気が悪くなる。


本当に申し訳ないな…。


「そんなに自分のこと責めなくていーと思うけどね」


涼はそう言ってニコッと笑いかけてくれた。


たったそれだけだけど、心が軽くなった気がした。


「よし。ちょっと俺に付き合ってよ。いろいろ雪花ちゃんと行きたいところがあるんだよ」


と、涼は立ち上がる。