世界が終わるとき、そこに愛はありますか

涼を中心にテンポ良く会話が弾んでいく。


なんとなくこういう場が苦手で、とてつもなく逃げ出したくなってきてしまった。


どう会話に入ればいいのか分からないし、どうリアクションとったらいいのかも分からない。


愛結も奈津もこういう場のノリに慣れてるだろうし、きっと男性陣もそう。


あたし1人だけ場違いに思えて心がキュッと痛む。


「ほら、雪花ちゃんが暇してるから歌おーよ。久斗のスウィートボイス聞かせちゃいな」


「勝手にハードルあげないでくださいよ」


「こいつマジ上手いから、奈津ちゃんたち惚れるよ?」


その涼の言葉は正しかった。


近藤さんの声は透き通るような綺麗さを持っていて、SNSに投稿すれば瞬く間に拡散されるんだろうな、という上手さ。