世界が終わるとき、そこに愛はありますか

「ね、歌う前に自己紹介しようよ!あたしは河下愛結」


愛結は涼の隣に座っている。


涼のことを狙ってるのかもしれない。


「龍崎涼でーす。先に言っとくと、俺はマジで雪花ちゃんにしか興味ない!だからお前ら雪花ちゃんに手出すなよ?」


涼がそう言った途端、愛結の目が一瞬つり上がったような気がした。


「え…っと、藤堂雪花です…」


挨拶を済ませ、もう一度愛結を見ると、特になんてこともない様子だった。


気のせいだったのかな。


「近藤久斗(こんどうひさと)ッス。よろしく」


あたしの正面に座ってる赤メッシュの男性が近藤さん。


「神崎奈津でーすっ!」


「浦川大也(うらかわだいや)ッス」


近藤さんの隣に奈津が座り、さらにその隣が浦川さん。


浦川さんはオレンジっぽい茶髪で、時折覗く耳たぶには大量のピアスが開いている。