世界が終わるとき、そこに愛はありますか

怒りからなのか、唯さんの声は震えていた。


これは深景さんと唯さんの話だ。


部外者のあたしはこの場から離れるべき。


分かってるけど、動けない。


二人が醸し出す異様な空気に身動きとれなくなっている。


「は?だったらなんであの店を辞めたんだよ。ホントにそう思ってんなら辞めねぇだろ」


「……っ」


言い返せず悔しそうに唇を噛む唯さんに深景さんは続ける。


「引き抜かれたんだろ?Snow Skyより条件がいい店に。浅香が絡んでる店に」


〝浅香〟


前に涼が言っていた浅香琥太郎のことだろうか。


「あんなやつの何がいいんだよ」


「〝あんなやつ〟?ふざけないで!彼はあなたより遥かにいい人よ!遠の昔に別れた男がいつまでも未練がましくネチネチネチネチ!気持ち悪いったらありゃしない!」


唯さんがバンッと机を叩いて怒鳴る。


それに負けじと深景さんも食い下がる。


「そもそも、Snow Skyを潰したのは青龍会じゃない。暁組だ。俺にキレるのはお門違いだろ」


「そーやって都合の悪い話になったら、いつも話を反らす。ダサいよ、そういうの。それに、そんなバカみたいな言い訳させない。あんたは炫聖会が…琥太郎が憎いから独断でSnow Skyを潰した。違う?何か間違ってる?私」