**
「…よし。できた」
何を作ろうか迷った末、唯さんも含めて3人で食べられるように手巻き寿司を用意することにした。
酢飯を炊いて、それなりの見映えになるように刺身を並べ、海苔を準備する。
それだけじゃ物足りないから、デザートにチーズスフレも用意している。
唯さん曰く、深景さんはチーズに目がないらしい。
あぁ見えて意外と甘党だってことも教えてくれた。
時刻はちょうど6時を回ったところだ。
そろそろ深景さんが帰ってくる。
喜んでくれるといいなぁ…。
なんて思いつつ、十数分が過ぎた頃。
ガチャ…と玄関の戸が開く音がした。
「悪い、遅くな…」
リビングに入ってきた深景さんの視線は、ソファに足を組んで座る唯さんにのみ注がれる。
テーブルの上の刺身には見向きもせず─。



