世界が終わるとき、そこに愛はありますか

深景さんは〝欲しいものがあれば言え〟と言うけど、化粧品を買ってもらうのは気が引けて頼めない。


「ホントに貰ってほしいの。仕事柄頂くことが多いけど、好みじゃないのもたくさんあるし、なにより同棲中の彼氏が〝邪魔だ、捨てろ〟なんて言うもんだからさ」


〝捨てるよりは誰かにプレゼントしたい〟


そう、唯さんは綺麗な笑顔で言ってくれた。


深景さんの片想いの相手ということで、どこか警戒していた節があったけど、その警戒心が消えていくのが分かる。


外見だけじゃなく、中身も素敵な人なんだろうな。


だから深景さんは唯さんのことが…。


「今度この家に郵送するね。段ボール二箱分くらいあるから、いらないやつは送り返してくれていいよ」


あたしはこんな素敵な顔で笑えない。


あたしはこんな人柄になれない。


「…ありがとうございます」


きっとあたしは…唯さんに何も敵わない。