「はじめまして。『KANZAKI』探偵事務所の
神崎と申します。彼は、助手の立花。
 話は、電話でお伺いしていますが脅迫状を一度
見せて頂けませんか?」

 神崎さんは、気にすることなく丁重に情報を聞き出す。
 すると慌てて伊藤さんは、脅迫状の入った封筒を
取り出して差し出してきた。

「すみません。あの……これなんですが」

「……拝見させて頂きます」

 神崎さんは、伊藤さんから封筒を受け取り
中身を開けて読んでいた。何が書いてあるのだろう?
 俺も覗いて読んでみる。これは……!?

 『最愛の辻エレナ様へ
どうして?俺の気持ち分かってくれないんだ?
 もしかして誰かに邪魔されているのか?
警察じゃないよな?もしかしてあの男か?
 でも心配いらないよ。俺が代わりに殺してあげる。
大丈夫。俺達の愛は、永遠だから』

そう書かれてあった。気持ち悪い内容だ。
 さすがストーカーなだけあって
思い込みの激しい自己中タイプだろう。

 「他にもいくつかあるのですが
似たような内容ばかりです。お願いです。
 エレナを守って下さい」

「分かりました。きちんとエレナさんを守るので
安心して下さい」

神崎さんが心配かけないようにニコッと微笑んでいた。
 よし。自己中なストーカーから絶対に
エレナちゃんを守ってやる!そう心に誓った。

 そしてエレナちゃんがリカコさんにメイクをしてもらい撮影場所まで向かった。
 俺と神崎さんは、一緒について行く。
するとエレナちゃんは、神崎さんに話しかけていた。

「ねぇねぇ神崎さんってモテるでしょ?
 今、彼女とか居るの?」

「居ないな。それに、そんなにモテないよ」

「えー嘘だ~絶対にモテるでしょ!?
 ねぇ、立花君もそう思うよね?」

 そう言いながら後ろに居た俺に振り返ってきた。
えっ……?まさか、こちらに
 話がふってくるとは思わなかったから驚いてしまった。