浅草の喫茶店と探偵ミステリー~血に染まった赤いバラ~


「瀬戸。とりあえず座れ。話は後で聞く」

「は、はい。あ、先輩。俺も
サーモンサンドが食べたいッス」

「……調子に乗るな」


 神埼さんにツッコミを入れられる。でも結局
サーモンサンドを作ってもらっていたが。
 しばらくして残りの客が帰ると俺は、ドアにかけてある営業中の看板を裏返しにした。
 まだ始まって1時間ぐらいしか経っていないのにだ。

 瀬戸さんは、サーモンサンドを食べ終わり
コーヒーをおかわりしていた。そして
改めて本題である話を始めた。

「実は、最近。赤薔薇会が、ある男と
関わり合いがあると情報を手に入れたんですよ!
 その男の名は、篠田正信で暴力団です。
 その篠田が最近よく出入りしているキャバクラ
『アイリス』に仲間が居るんじゃないかと思い
警察も今、警戒をしているんです」

「それに俺も担当することになったんですけど
キャバクラなんて初めてで、どうしたらいいか分からないし
 俺酒とか弱いから、間違えて酔っぱらって刑事だと
バレたら大変なことになるんッスよ!
先輩……どうにか調査とかしてくれませんか?」

 瀬戸さんが泣きついてきたのは、これか。
しかしいいのだろうか?
 いくら神崎さんが元刑事だとしてもこんなベラベラと喋ってしまっても……?

 普通なら秘密情報だし他人に話してはならないはずだ。
もしバレたらこちらも大変なことになるんじゃあ……。
 俺は、そんな心配をしていたが神崎さんは、
腕を組みながら考え込んでいた。

「その情報の裏は取れているのか?
ガセの場合もあるだろう?」

「大丈夫ッス。そこの暴力団の仲間の1人が自供した言葉なので。
篠田が最近金回りが良くなってたびたび出入りしているらしいのと
そいつも薬で捕まったのですが、篠田から貰ったと言っていました。
 でも逮捕状が出る前に捕まえたくて
俺の手柄を増やさないとまた課長に怒られるし」

「なるほどな……だとしたら、そのアイリスに一度行ってみた方がいいな。
 ただし客とではなく従業員として……」

えっ……?
 何で2人して俺の方を見るの?
まさかと嫌な予感がした。こういう時は、大体
 良くないことが起きる。そう……。

それが俺が一番恐れていたことだ。
 バイトの求人には仕事以外で手伝ったら
特別手当てが付くと書かれていた。しかし、それは
 重大な過ちだったなんて始めた頃は、夢にも思ってなかった。